私の彼氏はなんていうか・・・・うん・・・・影が薄くて・・・へタレで―――
―――――時々カッコイイ。
『首藤。これ、昨日言ってたCDだよ。』
「お、サンキュー」
名前は首藤 聡。身長176cm。誕生日は4月15日、血液はB型。部活はテニス部一応レギュラーに入っている。ヘタレで出番無しの悲しい男。
そんな男でも私は胸張って『好き』っていえる。
「あ、今日さ部活遅くなるらしいから先に帰って良いから。」
『あ、分かった。頑張ってね。』
首藤なりの気遣い。遅くなる時は言って先に帰らせる。本人曰く「お、女の子がこんな時間まで外に出ているのは危ないから」らしい。
いつもはダメダメなのにこういう時かっこいいんだよね・・・。
でも、でも・・・・興味本意で残ってみたいと思った。全国に向けて忙しいと思うけど、こっそり最後まで残って頑張ってる首藤の姿が見てみたかった。
『やってるやってる。』
私はテニス部に死角になる位置に行き見る。テニスのルールなんて大して知らないが首藤を目で追うのが楽しかった。
時間も忘れるくらい・・・・。
『やば!!こんな時間じゃん!!』
もう薄暗くなっている。首藤に見つかると怒られると思ったから、急いで校門に向かい帰ろうとした。
「あれ、
さんじゃん。こんな所で・・・首藤待ち?」
『え、あ、ちが・・・』
「
?」
『しゅ、首藤・・・。』
会わないようにしてたのに、佐伯が止めるから!!!
「じゃ、気をつけて二人とも帰ってね。」
「あ、あぁ。サエも気をつけろよ。」
『ば、ばいばーい・・;;』
爽やかに笑って帰っていきやがった。
「・・・・俺、帰って良いってって言ったよね・・・。」
首藤は佐伯の方を見ていたのに私の方を見てきた。
『言ったけど・・・・さ・・・・・』
「じゃあ、なんで帰ってないの?」
『首藤、の、テニス姿・・・・・見たくって・・・・。』
はぁ・・・・と首藤はため息を付いた。いやだ。こんなの首藤じゃない・・・・。私がずっと見てきた中でこんな首藤いない!!!
「・・・・帰るよ。」
そう言って先頭を切って歩き出した。泣きそうになった。けど泣いたらいけないと思った。
沈黙の道のり・・何時もと違う・・・・苦しい。苦しいよ・・・・。
『・・め・・ん。しゅ、どー・・・・ごめ・・ん・・・・。ごめん・・・ごめんなさい・・。』
結局私は涙なんか止める事なんか出来なくって、泣きながら謝った。
「ちょ!!泣くなよ!!」
私に近づいてカッターシャツの袖で流れ出た涙を拭かれた。
『ごめ・・・私!!』
「お、俺そこまで怒ってないからとりあえず泣き止んでよ・・・お、俺
に泣かれると、困る・・・・。」
そう言う首藤はいつものへタレのような首藤で、あの首藤はどっか行った。そう思うとピタリと涙も止まった。
「あ、あぁ・・・ん。泣き止んだ。」
照れながら細く笑って私の頭を撫でた。
『ごめんね、約束破って・・・。』
「い、いや、俺のほうが悪かったって言えば悪かったから・・・。ほら、歩くぞ。」
先に歩き出してチョイチョイっと手をやった。私はその手を掴んだ。
『ねぇ・・・・聡。』
「え?」
『わ!!』
「おっと!!」
『ビックリした〜』
行き成り止まるから進もうとした私は躓いてこけそうになった。まぁ、首藤が助けてくれたから良かったけど・・・・。
『行き成り止まらないでよ!』
「だ、え?あ、え??今・・・・」
『?何??』
「な、な、まえ・・・!」
『彼女なんだもん。名前で呼ぶよ。今まで異常だったんだよ。』
「・・・・・・」
『聡。好きだよ。へタレだって、影薄くたって、私より洗濯機上手に使いこなせたって、イジられてたって・・・・こうして私の為を思って気遣ってくれたり、怒ってくれる聡が、私は好き。』
「お、お前は!!」
顔を真っ赤にさせて怒ってきたけど怖くなかった。
今日も二人、仲良く並んで帰ります!!
ヘタレだって、影薄くたって、出番なしだって、聡は聡で私が好きな聡なんだ。
気遣って、笑ってくれて、こうして照れながらも手を繋いでくれる聡が――――
―――――大好きなんです。
葵様サイトとの相互記念に頂いた物です!
素敵な小説をありがとうございます。